地形図こんな記号って…!?
レポート2 「おう地」

 

 

一般的に地形図においては、平面である図上に地形の高低を表すため等高線(コンター)が用いられていることは皆さんもご存知かと思います。標準的な地形であれば、等高線の線間隔や形状で、およその地形をイメージできると思いますが、そこに凹んだ土地があった場合、おう地の表現がないと等高線からつかむイメージと実際の地形がまったく逆のものになってしまいます。 

 

地形図における定義では「おう地は、地表の局部的に窪んでいる状態が等高線に表われる自然地形に適用し、人口構造物との合成で生じたものは表示しない。」とあり、その表現方法は、「図1」のようないわゆる内ケバもしくは矢印で表現しています。


おう地の表記方法

 

そんなおう地…

今回は「神秘」のおう地を紹介します。
東京から中央自動車道を一路西へ、甲府昭和ICの先に双葉JCTがあります。そこから「君は太平洋を見たか、僕は日本海が見たい」のキャッチコピーで有名?な中部横断自動車道に入り、増穂ICを下ります。市川三郷町(旧市川大門町)の市街地を抜け、山道を進むこと20分、山間にひっそりとたたずむ紺碧の湖「四尾連湖(しびれこ)」をたたえるおう地です。

四尾連湖は、山梨県のほぼ中央部に位置し、御坂山地の西端、大畠山の中腹にある湖で、水面標高850m、面積0.42k屐富士八湖の一つにも数えられ、昔は「神秘麗湖」とも書かれた数々の伝説を秘る、まさに「神秘」と呼ぶに相応しい湖です。

 

この湖は、さすがおう地にあるだけあって、入ってくる川も出て行く川もない完全な閉鎖湖です。約一万年前にできた湖で、その成り立ちは未だににはっきりしませんが、地すべりによる堰止湖ではないかと言われています。

その四尾連湖の湖畔にたたずむと、「おう地」ならではの醍醐味を味わえます。周囲は山に囲まれ、目に入ってくるものは湖、山、空以外にありません。更にラジオもまともに入らず、外部の雑音がまったく入ってこない静けさの極みともいえるその閉ざされ感こそが、凹んだ土地の醍醐味といえるでしょう。

 

地図事典 1:20000 国土地理院発行の2万5千分の1地形図(市川大門)から。
計曲線の内ケバは珍しいかも。やはり窪んでいると水がたまってくるのでしょうか。
地図事典 1:20000 斜面は意外と傾斜が強いです。
地図事典 1:20000
周辺は県立公園にも指定されており、湖畔には数件の宿があります。
地図事典 1:20000
周りの高いところに上ると外の世界が一望できます。写真は甲府盆地です。