中平龍二郎氏(武揚堂OB) 「地図で楽しむ一人旅」

第4回 大山街道のガイド作成(その2)


平成13年になると国土交通省川崎国道事務所が「大山街道・R246地域間ネットワーク交流会」を立ち上げた。
大山街道沿道の自治体と市民がネットワークを組み、相互の交流を強める組織であった。
港区・渋谷区・世田谷区・川崎市高津区・川崎市宮前区・横浜市青葉区・横浜市緑区・町田市・大和市・座間市・海老名市・厚木市・伊勢原市・東京都・神奈川県などの自治体・市民が参加した。私も宮前区の市民委員として参加した。

 

各地の情報が活発に交換され、各自治体が分担して大山街道のウオ−キングも行った。その活動結果は「大山街道ウオークマップ」(4篇)の発行で公開された。
縮尺1万分の1地形図に街道のルートと見所、写真とガイドを載せたものであり、「赤坂〜三軒茶屋」「二子玉川〜長津田」「長津田〜厚木」「厚木〜大山」の4篇に分けて発行された。

 

この地図は残念なことに非売品として作成されたため、一般の方の入手は難しい。但し、地図のルートはウオ−キング用に作られているため、消滅した区間は街道に近い道路を選定している。
この地図の原稿は1万分の1地形図「新宿」「渋谷」「世田谷」「自由ヶ丘」「溝口」「鷺沼」「荏田」「青葉台」「大和」「座間」「海老名」「厚木」「伊勢原」と自治体の発行図を使用した。

 

その後、私は大山街道の現地調査に励んだ。
迅速測図をもとに作成した1万分の1地形図とカメラを持ち、大山街道の各区間を上り、下り両方向から歩いた。
両方向に歩いてみると沿道の風景にも変化があり、特に、坂道では目線が異なり面白かった。
大山方向に進むと、世田谷区の多摩川河岸段丘から以西では、展望が開けた個所から前方や右方に丹沢・大山が眺望できる。歩くごとに大山に近づく感じがするが、東京方向ではそれを味わえない。

 

終点に近い大山追分からは急な石段が続く山道になり、女坂はともかく男坂では地図を広げて見る気も起きない。
阿夫利下社から山頂までは長い上り一方の山道になるが、連続する上りに対して小休止しながら地図を眺めたりする。
大山山頂から四方を眺望するには、5万分の1地形図と20万分の1地勢図を併用するのが良い。

 

私はどの山を上る時でも人と異なった地形図の使い方をしている。
山頂方向に対して等高線(コンター)の間隔を見てランク分けしている。
地形図の登山道で、緩い上り坂に橙色、急な坂に赤色、殆ど起伏が無い区間は黄色、緩い下り坂は黄緑、急な坂に緑色を着色して使用している。
地図上の色を思い浮かべながら坂道を上ると、そこに楽しささえ感じることがある。また、現在地の確認にも手助けとなる。